2017年2月24日金曜日

才能を愛してやろう No.0703

もっちーという友達がいる。平先生のところでずっと勤めていて、もう10年以上前から知ってるの。

もっちーはモチ屋さんで生まれたせいか、なんとなくほっぺたもモチモチしてる。名前も、餅ツキくんという(ホントは望月くん)。

で、この子をヘッドハンティングしたの。というか、平先生に「もっちーをウチにくださいよー」とダダをこねて、移籍をお願いしたって感じ。もっちーはバックヤードの守りに理想の子なんだ。

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ウチは、野戦の武将系はたくさんいる。たとえば「今から駅前に素っ裸になって歌をうたってこい」と言えばすぐやれる(やってもしょうがないけどさ、捕まるし)タイプが多いの。

外に出て、怖じ気ずに、切り開いてこい!みたいなことはいともたやすくやってくる。

秀吉のところの加藤清正、福島正則タイプは割りと多いんだ。

でも、三成や小西のような文官、簡単にいうと机仕事が得意なのが少ないの。

フツーのことがやれなかったりする。なので、「武」は良いんだけど「文」がない。

これがうちの弱点だった。

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今回、ホールディングス本部をやるにあたって、ずっと欲しかったのがこの「文官」だね。

彼がいれば、いろんな幅が増える。たとえば、ウチのグループのアーカイブを整理できたりもする。

お客様がいつ、どこで、どのようにウチに関わって、その関係が、どのように推移していくのか?

こういったアーカイブを整理して、ウチの「教科書」を作ることができる。

今でも多少の分析はあるにせよ、完璧な「教科書」と呼べるレベルのものはない。

それがこれから作って行けると期待してるよ。莫大なデータになるので時間はかかるけどね。

なんにしても、うちの子らにないものこそが、もっちーは得意技。逆に言えば、「外へ出て切り開いてこい」と言われたら、もっちーは苦手かもしれない。

でも、そういったデコボコこそが、組織の意味だと思う。

まして、ホールディングスは「グループの机仕事の総まとめ」なわけなので、とても欲しい人材だった。

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人を雇う時にいつも思うことがある。

世間の社長さんたちは、割りとスタッフの平均点の上昇」を願う人が多い。
たとえば、打って、走って、投げて、守れる選手みたいに。

私はデコボコが好き。

攻めの得意なスタッフに「あいつも、もう少し守りができるといいのにな」とかいう上司がいる。

私の経験上、平均的な人はむしろ何も突出してないことが多い。(中には例外もいるけどね)

得意な技があるからこそ、偏っているように見えるんだ。だから、偏りを怖れちゃいけない。

肩が強い子にはピッチャーとしてボールを投げさせればいい。走るのが早ければ野手なり走者なり。打つのはホームランバッターでいいんだ。

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偏りといえば、平先生なんてメチャメチャ偏ってる。

アイデアは湧くように出て、それを形にする、誰も真似できないほどの、ものすごい実行力がある。多分、万人に一人の素材。でも、待ち合わせの場所は間違ったりするし、どーでもよいようなことは気にもしてない。

もし、あなたが社長としたら、平先生に経理なんてさせる?させないよね。ホームランバッターに他のことをやらせる意味はないよ。ホームランをガンガン打ってもらうべき。

こういうと当たり前に聞こえるけど、割りと世間の上司は平均点の高さを求める。「あいつも、これも出来ると良いのにな」なんてよく聞く。

でもさ、平均的な人間なんてつまらない。デコボコがうまく噛み合わされば、最高の結果を出せるんだからさ。

そして、それが組織の一番面白いところだと思う。

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まあ、ごく稀に全て秀でてる人もいるかもしれないけどね。それはそれでいい。まあ圧倒的少数でしかないけれど。

とにかく偏りを怖れず、偏りを愛することが大切だと思ってるよ。偏り、それは才能の表れた姿なんだからさ。アーティストとか、歴史に名を残す人間は概ね皆偏ってんだからさ。

人間にはいろんな形の才能がある。平均的である必要なんてない。

才能を愛してやろうね。

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写真はもっちーとフナガウさんだよ。フナも偏ってる。野戦系バリバリ。その代わり机仕事は全くできない。もっちーとちょうど両極なんだ。こういうの組み合わせると一番面白いよね。

2017年2月13日月曜日

ホールディングカンパニー設立 No.0702

今度、名古屋でやるホールディングカンパニーの設立登記が終わったよ。

世間様へのお披露目は3月にやるんだけど、とりあえずスタッフたちだけで集まったの。

で、これからこうやって行こうねと語り合った。

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ウチは、できる限り多くのスタッフ社長として育て、会社を持たせたいと考えてる。

今はそういった社長が10人を超えちゃった。先輩として小林や寺田、久保がいて、若い社長たちがそれに続いてる。わりと、業界では層の厚い組織だと定評もらってるの。

それだけ見ると、なんか順風満帆な感じもするけどさ、まあどんな組織にも必ず問題はあってさ。

そのひとつが、誰もが年を取ってしまうってことなんだ。

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初めて私が会社を立ち上げたのが、もう24年前になる。

組織として、かなり長い間続いてると言っていい。最初は、ガソリンカードも作れなかった。全く何の信用すらもなかったからね。

で、なんとか、今は毎年50億円を売り上げてる。ありがたいことなんだけどさ、それらの売り上げのほとんどを作ってくれてる連中、、、

つまり、ウチの核、力のコアであり、第一世代である小林、寺田、久保も、そして、私自身も、、、

ずいぶん、おっさんになっちゃったよ。

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私たちのしておかなければならないことは、今の第一世代が引退した後の、組織の維持なんだ。

今のうちに仕込んでおかなきゃ間に合わない。

だから、ホールディングカンパニーを立ち上げたの。

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今のウチは、言ってみれば独立国の集まりに近い。

おのおのの会社に、おのおのの決まりごとがある。独立採算制だからね。給料も皆違う。

もちろん、理念であり、存在理由、そういった基本ルールは統一されてるけれど、それ以外の細かいことはそれぞれ違うんだ。

それらをまとめてるのは第一世代の連中の「仲の良さ」なんだよね。

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第ニ世代が仲が悪いってんじゃなくて、第一世代は異常に仲が良いんだ。

例えていうと、自分が稼いだお金でも、第一世代同士の仲間にいとも容易く分けてしまえる、そんな心持ちを持ち合わせてる。自分の心配よりも、仲間のことを優先できる者が揃ってる。

しかも、第一世代はみんな日本記録持ちばかり。全員がチャンピオンだよ。力があるんだ。それが、やはり組織の力の「核」になってるんだよね。

でも、人間、誰もがいつかは死ぬ。その前に、いつかは働けなくなる。私たちだって、例外じゃない。

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私たちがこれからやるべきことは、第一世代が引退した後の、組織の力の核を、意図的に作っていくということ。

独立国の集まりを、合衆国にしていくんだ。今までは第一世代の個人の心の結びつきで持ちこたえてきたもろもろの事柄を、システムに落としていく必要がある。

それが、五年はかかると思う。

逆に言えば、五年後、私たち第一世代は、年齢的に、体力的に、物理的にも仕事できなくなってくるからね。

だからこそ、今からやらなきゃ、間に合わないと思ってるってことなんだ。

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実際に何をやるかというと長くなるので省く(またFBでもおいおい報告してくね)んだけど、それをホールディングの本部機能として進めていく。

すると、副次的効果として、結果的に新規展開が増えていく形になる。

なので、このやり方がうまくいった場合、拠点が増えることになるので、数年後には年商が100億円になってしまうと思う。

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べつだん、私は100億円売り上げることに何の意味も感じない。まあ、多少は嬉しいだろうけどね。それが目的ではない。

売り上げなんて、いくらでもいい。そんな事よりも、この先もさらに20年続く会社にしたいんだ。

私たちが死ぬ頃にも、まだ健全に存続してほしい。「こいつら、これでこの先も大丈夫だろう」と、先の安心を感じながら。

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うちの組織に関わってくれた全ての子たちが、安心して永く働けるように。ずっとウチで、生活の糧を潤せるように。

自分がいくら儲かるとか、いくら稼ぐとか、そんな瑣末な事よりも、永く存続して、皆の礎になるよう、自分の、この先の10年をそれに賭けたいと思ってるよ。

多分、それが私の人生の、最後の仕事になる。それでいい、そう考えてる。

家康じゃないけど、「ざっと済みたり」と言って死にたいね。それが夢だよ。

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写真は、設立記念で皆でJPタワー名古屋事務所でちょっとしたパーティーをした時のものだよ。

なんか、スタッフ増えたね。皆の人生がかかってる。私たち第一世代がいなくなった後でも彼らをずっと守っていける、そんな組織を作らなきゃね。

2017年2月11日土曜日

本日の泣けるぜ No.0701

「本日の泣けるぜ」

ウニコサファイアを手に入れたの。私は時計フリークで、時計が大好き。

まあ、趣味っちゃ趣味なんだけどさ、やっぱり商売人なので、ついリセールバリューのよいものを探してしまう。

例えばリシャールミル。ナダルモデルを持ってるんだけど、まだまだ買った値段で売れる。クリスティーズからも「出してよー」とか言ってもらえる。何が言いたいこというと、私にとってお買い物は「売れるかどうか」が大きいってわけ。まあ、人間がセコいんだよね。

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前振りが長くなったんだけどさ、ウニコサファイアは限定版全て売り切れで、まだ日本には正規店でのデリバリーがされてない。

それが、手に入ったので、嬉しがりながらはめてたの。

「これいつでも売れるで〜」なんていいながら。

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で、新幹線のトイレ入って、出るときにノブにカチンと当ててしまった。
そしたら
割れた。

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この時計、サファイアクリスタルのケースなので、傷はつかないんだけど、割れやすいの。

なんか、ケースだけでも100万やそこらでは直らないから気をつけてね、って時計屋さん言ってた。こうなったらリセールもクソもないやん。

泣けるぜ。

終わり。

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1枚目の写真はちゃんとした写真(ウブロさんのページから引用)。2枚目は割れたところ。名古屋で手羽先食べながらベソかいてたんだ。手羽先が涙でしょっぱくなったような気がしたよ。

久しぶりの更新なのに、これかよ・・・これまた泣けるな。