山中選手とネリの試合、かなり物議を醸してるね。私もネリに対して許せない気持ちがあるのだけど、周りの友人からいろいろ質問される。
1キロってそんなに違うの?とか、やめときゃ(試合中止すべき)いいじゃんとか。
そんな思いの方のために、、、
解説とかのボクシング関係者さん達が、コメントで言いにくいこともあるので、部外者の私が、代わりに答えてみたいと思います。
(もし違ってることがあったらごめん)
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Q、1キロや2キロくらい関係なくね?
A、まず、ボクシングにおいての1キロ、2キロはとても大きいです。でも、それよりも大きいのは「体重を作るために減量してきたかどうか?」なのです。
例えば、バンタム級の選手のリミットは53.52キロですが、通常体重は概ね62キロから65キロくらいでしょうか。
ボクサー達は、普段ハードなトレーニングを積んでいます。余分な脂肪はほとんどありません。
体重の5%はある程度落ちますが、そこから先は骨身を削る行為になります。
減量中は、栄養失調状態。抵抗力は落ち、熱が出ることもあるし、普段と同じトレーニングができるわけでもありません。
今回、ネリは4キロオーバーで来日したそうです。これは、リミットまで落とすつもりが最初から無かった、と思われても仕方がありません。
減量を捨て、目一杯元気な状態でトレーニングを積んでくるのが目的で意図的にそうした、という魂胆が見えます。
だからこその、あの強さだったと言えると思います。
Q、なんで、試合を中止しないの?
A、これこそ、ボクシング関係者さん達が言いにくいこと。まあ、みなさんもわかってるように、テレビがあるからです。
ゴールデンで枠を取っていて、もしこれを中止にしたら、次からボクシングのタイトルマッチは地上波で放送されなくなるでしょう。
これはボクシング界に取って致命傷です。だから、やめるわけにいかないのです。
Q、体重オーバーで、ネリのタイトル剥奪はわかる。でも、本来なら、タイトル移動が正しいでしょう?試合しなくても山中のタイトルになるべきでは?
A、それをしてしまうと、試合の興味が薄れます。テレビが成り立たなくなります。
Q、ネリに対してファイトマネーを全額支払ったと聞いている。没収するべきでは?
A、没収したら、減量に失敗した選手は来日しなくなってしまいます。放映ができなくなるので、このようなペナルティは難しいのです。
Q、山中選手は試合を拒否すべきだったのでは?
A、放映を中止するような選択はボクシング界のためにもできません。まして、ファンやジム関係者のためにも、中止の選択は不可能です。
Q、もし、損害が出たら、ネリに全て払わせればいいじゃん!
A、メキシコに逃げるだけです。決してお金は取れません。
Q、K1とか見てると、グローブハンデつけたり、相手変えたりしてるじゃん?
A、ボクシングのタイトルマッチの場合、この試合のみが目当てで組まれています。山中ネリ戦がないと興行自体が成り立ちません。なので、取り替えが効かないのです。グローブハンデは私も思いますが、興味が薄れるからですかね。
Q、当日軽量でネリが58キロってどういうこと?なんでバンタム級リミット53キロじゃない?
A、ボクサーは軽量が終わって、試合までの間に数キロ増えます。だからこその58キロかと思うのですが、いったんは53.52キロまで落とさせるべきだと私も思います。
Q、ネリはタイトルを剥奪されるようなことしてメリットあるの?
A、ネリはライト級でも試合しています。もともとかなり体重は上です。無理して減量し、負けて商品価値を下げるより、タイトル剥奪されても無敗を取る選択をしたのでしょう。
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もとより、この「減量を諦めて試合に勝つ」スキーム。
プロボクシングは興行のおかげで成り立っています。なので簡単に中止にはできません。
このゆがみを利用した、そんな作戦が散見されるようです。だから、実際意図的なものだったのでしょう。
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ネリが減量をちゃんとしたとしても、山中選手が勝てたかどうかはわかりません。
でも、ルールの穴、というよりも、業界の仕組みの穴を狙うこういう行為が続くのは、ボクシング界にとって危険なことだと思います。
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ボクシング界は、このようなことが起こらないように、法整備をちゃんとするべきですね。
村田、エンダムの初戦の判定、前回、今回の山中ネリ戦と、許されない行為が多いです。WBAもWBCも、なんとかせーよ、と思います。
後は、帝拳の本田会長に期待するしかないなあと、いちファンとしては思うのであります。
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山中選手、お疲れ様でした。不利な状況、相手の不誠実に対しての精神の乱れもあっただろうに、リングに上がる姿に、多くの人が感動したと思います。神の左はボクシングファン達の心にずっと残ることでしょう。
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写真は今回の会場じゃないけど、なんとなくリング。
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*追記
(メッチャ長くなってしまうんだけど)
(メッチャ長くなってしまうんだけど)
青木選手の記事を読みました。
要約すると「納得して試合したのだから後でガタガタ言うな、勝者が全て」というものでした。
同じ意見の人もあるかもなので、ひとこと行こうかな。
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最初に、私は青木選手のファンの一人です。関節技において世界でトップの人で、UFC取ってくれたらなあ、と期待していました。
青木選手なりの青木節(わりとワザと憎まれ口を言う)であることも踏まえた上で、山中選手と帝拳ジムの名誉のために。
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まず、山中選手はガタガタ言ってないですよね。周りが「卑怯だ」というのは自由ですので、別段おかしくない。
で、ここからなんだけど、もし、ガタガタいうとしたら?村田エンダムの初戦、山中ネリの二戦、両方、無効試合を主張できます。
でもやらなかった。
村田選手、山中選手あっぱれ!と共に、一番偉いのは本田会長ですよ。
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ああいうこと(フェアでないタイトル喪失)があって、一番困るのはジムだから。
お金いくら損すると?
マッチメイクの権利はチャンピオン側にあります。
なので、現チャンピオンを呼ぶには多大なお金が必要です。
村田選手がタイトルを取れなかったあの試合、(取った場合と比べて)たぶん、帝拳ジムは数億というお金をロスしてるはずです。
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今回もそう。
初戦、ネリがドーピングで陽性(本来この時点でアウト)なのに、本田会長は「倒された以上ガタガタいうのはおかしい」と受け入れました。
13度目の防衛戦。この勝ち負け、金額に直すと恐ろしいものです。
それを「ボクシングの理想」に乗っ取って「リンクの上が全て」と文句を言わなかった(とーぜん抗議はするけど)のって、すごくね?
青木選手はとても好きです。
が、プロとして、そちら側を見てほしいね。
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今回も、山中選手は別段負け惜しみも何も言ってない。そして、本田会長こそ、男だよ。
お金よりも、ボクシングを愛してるんだ。
それをわかってあげてほしいな、と思います。
ということで、余計なお世話ながら、帝拳ジムの名誉のために追記しました。
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