今の子達はインフレを知らない。
モノの価格が上がっていく、そんな経験がない。デフレしか、見たことがないんだ。まあそれも当たり前、35年も低迷が続くこの国。
見たことないモノを知らないのは当然のこと。
戦後生まれの子が戦争を体験してないのと同じ。
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私の若いころは、モノの値段は上がるのが普通だった。
今日買ったモノは、次買うとき上がる。
それが当たり前。
給料も、モノの値段も上がる。
今とは全く違っていた。
銀行金利は6%だった。何もしなくても、お金を預けていれば6%回っていたんだ。住宅金融公庫ですら、8%とかあったんだ。
今、投資で6%の金融商品を探すのは大変。考えられない高金利だよ。
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私が中学校一年生の頃だったと思う。
学校で数学の先生が、授業中こんなことを言ってた(マジ実話です)。
「私は一億円を貯めるのが夢です」
一億円貯めたら、銀行に預金します、とその先生は話す。
そうすると、金利が6%だから、年間600万入ります。で、月にしたら50万。毎月それがもらえる。50万以下で毎月生活したら、お金は減らない。一生食べれるのです。
と。
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私は家に帰り、父に話した。
「オヤジ、先生があんなこと言ったけど、なんで大人は一億円貯めへんのや?」
オヤジは言った。
「その一億円が貯まらんのやないか!」
ふーん、そうか、大人というのは一億円も貯められへんのか、と当時の私は思った。また、こうも考えた。まてよ?と。
「でも、一億円持ってる大人って数多くおるはずやけど、なぜそれをやらないのか?働かなくてよくなるのに」
「なんかおかしいな、どうも何かが違う気がする」
そんな違和感があったんだ。
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なので、自分ながら、いろいろ考えた。で、その疑問は、解消した。
インフレの存在を知ったんだ。
毎月、6%の金利を食い潰していたら、元金は増えない。つまり、インフレ率と比べたら、元金は目減りし続けることになる。
20年もしたら、その一億円は半分以下の価値になってしまう。つまり、この理論は成り立たないし、誰もやらない。
「学校の先生というのは、頭が悪いんやな」
子供心に実感した瞬間だった。
まあ、我ながら素直でないというか、人の言葉を疑う、はすっぱな子供だったのだろう。
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インフレ。
もし、家と土地を買ったとする。20年間、ローンを払うとすると、ローンがなくなった頃には、買った値段の倍で売れた。
時計を買う。
いらなくなったら売ればいい。少なくとも次買う時は同じ値段では買えないし。今買った方がトク。
つまり、お買い物が怖くないんだ。
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今は、逆。
物を買って、しばらくすると同じモノの値段が下がっている、そんなイメージ。
お買い物は怖い。お金を残した方がトク。
だから誰もお金を使わない。
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しかし、その局面はコロナ後大きく変わってきた。
これから変わるよ。
40歳半ば以下の年齢の人が経験したことのない時代が来る。
今の円安は1985年と実質交換為替レートで同水準。バブルスタートの一年前と同じだよ。
コロナ、そして資源大国であるロシアウクライナの戦争。資源の高騰は確実で、さらに中国製品の値上がり。
この先、インフレ来るよ。いや、すでに始まってる。
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そんな中、何するべきか?円安時代のビジネス。不動産、高級時計なども買うべきだね。何を買うか?ポイントはリセール。また書くね。
一ヶ月二ヶ月でどう、ということはない。生活は苦しくなる。しかし、未曾有のチャンスもまた、来ると思う。
二、三年後のために、今から準備すべきだよ。
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画像は映画三丁目の夕日からいただきました。日本国民がみんな明日の希望に胸を膨らませて、たくさん働き、働き、働きまくってた時代だよ。
ちなみに、この東京タワーは、当時の職人が「手」だけで組んだんだよ。タワークレーンとか、無かったもんね。