5月4日、元東洋太平洋チャンプのボクサー、佐々木基樹選手の試合がありました。
場所は、ボクサーにとっての聖地、後楽園ホール。
佐々木選手が送ってくれたチケットが青コーナーの通路の横。久しぶりのホールが懐かしい。すり切れたフローリング、色のはげたリングインステップ、特別暑く明るいスポットライト。ワセリンと汗のにおい。やっぱり、後楽園ホールはひと味違う。ああ、25年前、この通路からオレもリングに上がったなあ。感慨深い気持ちでまばゆいライトを見上げながら椅子に腰をかけた。
東洋太平洋タイトルと日本タイトルがかかったこの試合。
佐々木選手は勝てば5冠。
しかし、既に現役を18年続けて来た37歳の彼にとっては、、、
負けたら引退。
・・・
素晴らしい試合でした。
本当に感動した。
彼の今までの練り上げて来たボクサーとしての完成度、トレーニングの蓄積、18年間の全て、それらを考えた。それを思わせてくれるボクサーだった。
涙があふれて来たね。
アクシデントもあった。
試合中盤でレフェリーの「ストップ(出血のチェック)」がかかった後、ニィートラルコーナーに行こうと横を向いた佐々木選手に相手がパンチを出し、それで佐々木選手が倒れるというアクシデント。本来そこで試合を止めてれば、佐々木選手の反則勝ちになったのではないだろうか。
しかし、佐々木選手は試合を続行。そのラウンド、鬼神の如く攻め込み、相手を追い込んだ。
佐々木選手は、劣勢になればなるほど強くなる選手で、打たれれば打たれるほど、パンチが冴える。
相手のいいパンチが入ると、ニヤリと笑って、もっと来い!とアピールし、、、
ノーガードで突っ込んで行く。
そしてパンチの連打。
今までもたびたびこういう形で逆転勝ちして来ただろうな。人気があるのもうなづける。
ドスン、どすん、と会場に響き渡る重いパンチの応酬が続き、試合は最終12ラウンドへ。
最後まで、よく戦った。最後まで、ずっとパンチは生きてた。最終ラウンドですら、もしクリーンヒットがあれば、相手の意識を根こそぎ刈り取る、そんなパンチが出てた。
本当に、、、
すごい練習量だったろうなあ。
右フック、早かったなあ。
ボディもよく効いてた。音がドスン!と響いていた。
どれだけ打たれても、アゴが強い、腰が落ちない。走り込みのレベルが違う。
本当に、本当に、、、
死ぬほど練習しただろう、練習量が半端なかったろう。
試合を見れば、今までにどのくらい練り上げて来たのか、どれくらい自分を追い込んで来たのか、それがわかる。その努力を、その思いを、想像するだけで涙が出た。
・・・
佐々木選手、おつかれさまでした。
感動しました。
素晴らしい試合に立ち会えたことを感謝します。
リングは、上がるより、降りるほうが難しい。よくそう言われてます。
そして、リングをおりてからの人生の方が、ずっと長いものです。
この先、第二のリングで、新たなタイトルをとってください。
これからも応援しています。
廣田康之
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