うなぎの美味しい季節ですね。最近稚魚がいないってんで、値段がメチャ高くなっちゃったけど、日本の美味いものの代表みたいなもんだし。
ちなみに、いつも行くうなぎ屋さんがあるの。
サミュエル・L・ジャクソンにソックリなオヤジがうなぎを焼いていた。このオヤジ、とてもうるさく厳しい。
煙モクモクで、ちょっと窓を開けると「開けるな!温度が変わる!」と客にキレるんだよね。
その代わり、見事なうなぎを焼いていた。
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関西系、特に名古屋(あつた蓬莱軒とか)はうなぎの脂を飛ばして焼く。まあ、言い換えると、パリパリになるまで焼く。
かたや、東京のうなぎは、蒸してから軽く焼く。
私は関西系に慣れてるので、東京のうなぎはちょっと苦手。
クドくなっちゃうんだよね。
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さてこの、サミュエル・L・ジャクソンの焼くうなぎは、外側がパリパリ。中はジューシー。
抜群に美味しかったのよ。
ちょうど、位置的にも東西の中間にある、うなぎの本場、浜松にあって、サイコーだった。「オヤジさん、このうなぎ、宇宙一美味いわ!」といつも褒めてた。
(まあ、日本一イコール世界一、また、宇宙でうなぎ屋さんは無いと思うので宇宙一でもよかろう)
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「焼いていた」などと全て過去形なのは、ある日、その店行ったら、閉まってたの。
「すわ!潰れたか!まさか!」
と調べてみたら、サミュエル・L・ジャクソン親父、お亡くなりになってたそうな。
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「もう、あそこのうなぎは食えないんだな」と落胆してたの。
仲間内で、伝説のうなぎ屋さんになりかけてた。
そしたら、、、
「どうしてもあのうなぎを残したい」
と、どこかの若いお兄ちゃんが、お店の権利とタレを買ったらしい。
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今、その若い人が二人で、お店をやってる。
今はまだサミュエルにはかなわないけど、美味しい。
炭火の照り返しで顔を真っ赤っかにして、丹念に焼いてるんだ。
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捌き三年、串打ち五年。
焼きは一生。
そう呼ばれるうなぎの世界。
いつか、サミュエルを超える日が来るかもしれない。
その時こそ、真の後継者になるんだろうね。
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商売をして、お客様から人気をいただく。それはとても楽しく素晴らしいこと。
しかし、人間の寿命はいつか尽きる。永遠には続かない。
ビジネスを志す者として、私たちは常に、後継者を育てることを忘れてはいけない。
サミュエルのように、向こうから来てくれたらいいけどね。
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ウチも優秀な若い衆たちがいる。
彼らを、自分たちに代わるリーダーに育て、それで初めて私たちはお役御免、になるのだと思う。
今までに私たちの会社を選んでくださったお客様たちのために、また、勤めてくれてる従業員たちのために。
次の代まで続く、そんな組織づくりをしていきたいと思う。
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写真はうなぎ。食べてるのは秘書のウナ川さん。寺田父ちゃんにおごってもらった。明日も食べたい。さらにまた明後日も食べたい。
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