時計が好き。車が好き。アートも好き。
よく、「時計なんて時間がわかればいい。高級時計なんてナンセンス」という言葉を聞く。
車もそうだよね。走ればいいじゃん!って。
確かにそうなんだけどさ、ちょっと違うんだよね。
今日はそんなお話。
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例えば、時計だと、実際時間を知るのはスマホで十分。
むしろ、一千万円の時計より、スマホの方が正確だったりする。ロールスロイスよりベルファイアの方が広いし。
じゃあ、なんで高級時計や高級車に意味や価値があるのか?
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これね、持ってみたらわかる。
例えば、世間でいう高級時計を毎日ハメてたら、絶対わかるよ。
それからは、つい街に出ると「ちょっと覗こうかな」と時計屋さんに寄るようになるからさ。
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「はめてみたらわかる、なんて言わないで、ちゃんと説明しろよ」と思われる方のために、(あくまで概ね性能が同じと仮定して)
安いもの
と
高いもの
の違いをひとことで言うとさ。高いものは、、、
「精緻」なのよ。
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例えば、もしあなたが「ホンマか?」と思うなら、誰か持ってる人を探して、もしくは時計屋に行って、パテックフィリップという時計を思いっきり倍率の高いルーペで見て欲しい。
どれだけ拡大して、隅々まで見ても、全く何のいびつさ、雑な作りなどのミスは見つけられないはず。中の機械に至るまで全て。
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ブレゲ針という時計の針がある。
紺色の針なんだけど、これは焼きを入れてその後ずっとホウの木だったかで磨くんだ。
鉄が熱されて青色になる一瞬で止める。成功率は3割程度。そして、それを何日もかけて磨く。
そして、滑らかになるよう、全ての「バリ」を取る。
こういうことをしてるから、1つの時計を作るのに、職人がひとつの時計に一年とかの時間をかけるんだ。
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それが必要かって?
性能には必要ないよ。
でも、我々何かのサービスを提供している側から見ると、自分たちがそのようなサーブをできているか?こういうことがわかるか?は大切なんだよね。
神は、細部に宿るんだ。
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逆に、こういうことがわからない経営者がいたとする。
「食い物なんて何でも同じ。腹が満たされればいい」
そんなお店で食べたいかな?
あたしゃあ嫌だな。
たとえ、安いラーメンでも、心のこもったものが食いたいし、心のこもったサービスを受けたい。
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心がこもってるか否か?それは細かいところを見ればわかる。
ラーメン屋さんの箸袋が汚れていたら?
箸なんて使えればいい?
違うよ。
とことん隅々まで綺麗に掃除されて、初めてその店が気持ちよく感じるんだ。
高級なもの(しっかりと手を入れられて作られたもの)はその「気持ち良さ」がある。
それは、つけてしばらくしたらわかるよ。肌でわかるんだ。
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経営者としては、こういうことが理解できるようになりたいよね。
時間なんてわかればいい?車なんて走ればいい?
違うから。
そんなお店、そんな会社、誰も選ばないよ。
良いものは自分の目を磨き、自分を律してくれ、そして、自分の人生を豊かにするよ。
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余談ながら「マリーアントワネットの金時計」を作ったブレゲさんは、制作に44年をかけた。
発注者であるマリーアントワネットさんが死んでから30年以上も経ってたんだ。(当のブレゲさんも死んでから四年後の完成だった)
職人っていうのは、こういうものなんだよね。志の高さが違うんだ。そしてそれが、人の心を打つんだ。私たちも同じだよ。
商売してる人はそれを知るべきなんだ。
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高けりゃ良いってもんじゃない。
ブランドに振り回される必要もない。
でも、寝巻きでも何でも良いい。良いものを1つ持ってみよう。
そしたら、スペック以上のものがあることがわかる。
用をなせばいい?
それじゃあ寂しいじゃん。
人生。
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ちなみに、ベッドのマットレスはお金かける価値あるよ。1日の1/3はそこにいるんだからさ。シモンズかシーリー買って使って見てよ。
2、3日寝てみたら「ベッドなんて寝られればいい」なんて絶対言わなくなる。
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時計でもいい。車もいい。
「無意味に高けーんじゃねえ?」と思うもの、ひとつ持ってみようよ。
しばらくしたら、「肌が喜ぶ」感覚に気づくからさ。持ってる人はそれがわかってるんだよね。
んで、もし「買ってみて、損した!」と思ったら、言ってきてね!
いくらでも謝る用意はあるよ!
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写真はクリスティーズのオークション会場。アートも同じ。いいものには神が宿ってる。細部にこそ。
私は語源不明のこの言葉、ミースファンデルローエが好んで使った、「God is in the details(神は細部に宿る)」が好きなんだ。
私たちのビジネスもすべからくそうでありたいね。
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