2019年2月6日水曜日

スラム No.0869

昔から、スラムが好きというか、なんかスラムにロマンを感じてた。

「もし自分に最悪が起こっても、ここに来れば生きていけるんじゃないか?」

と思ったからかもしれない。


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いろんな国のスラムに行ったけど、マニラには東洋最大、と言われる「地図のない街」トンドがある。今で言う、バックパッカーみたいな感じでよく行った。


殺人街と呼ばれたマラボンのスラムで泊まったりもした。当時はタクシーが行くのを嫌がってた。


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そんな頃、よく世話になった人がずいぶん歳を取ったので、久しぶりに顔を見に行かないか?となったの。


もう、八十歳近くになる。平均年齢の低いこの国において、かなりの長老。


縁起でもないけど、会えなくなる前にって感じだよね。


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初めて会ったのはもう二十数年前になるのかな?男前でダンディ。複数の仕事を持ち、女の子によくモテたルディは、ずいぶんおじいちゃんになってしまった。


でも、とても喜んでくれたよ。


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で、こんな風に久しぶりにこの国に来ると、とても驚くことが多い。


とにかく綺麗になった。中心地マカティはシンガポールみたい。昔からここはわりと綺麗な場所だったんだけど、驚いたよ。


新しいビルがバンバン建って、ホントに綺麗に安全になった。


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あの頃、よく行ったエアーフォースベースのコースに、スラム超えのミドルホールがあった。


ショートカットしようとして失敗すると、スラムのトタン屋根にボールが落ちるんだ。


ゴルフ場のガードマンに「あれ、大丈夫?(誰かに当たってないかなあ?)」と聞くと、

「ダイジョーブ、これがある」


とM16(アサルトライフル)を構えてニッコリ笑ってた。


イヤ、向かってきたら迎撃できるか?を問うてないって。


・・・ 


元空軍基地のコースはとても綺麗になり、スラム超えのホールはなくなった。スラムの代わりに高層マンションが建って、ショートカットができなくなっていた。


たまに部屋にボールが飛び込むことはあるだろうけどね。


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ストリートチルドレンも減った。


道端で、こぼれた米を土の上で拾いながら口に運んでた子供たちは、あまり見れなくなった。


ボニファシオには高層ビルが立ち並び、ビルの間から花火が上がってる。


道は日本以上に綺麗で、夜の一時でも外を歩くのになんの心配もない。女の子1人でも問題は起こらないだろう。


マニラは変わった。


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20年も30年も前の、スラムを渡り歩いていたころのマニラと比べても仕方がない。あの頃はゴロゴロ内戦があり、昼夜を問わず外出禁止、と戒厳令が敷かれたこともあった。


変わって当たり前。


でも、変わらない国がある。


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不名誉にも日本。


30年前も今も、ほとんど変わらない。良い意味ではなく、進歩していない。


食べ物の値段や生活指数はむしろ少なくなってないかな?


土地も、30年前の方が高かったんじゃね?


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今、日本はどんどん置いていかれてる。


「韓国の国家予算は東京の予算より少ない」だからショボい、と言ってたけど、今度一人当たりのGDPが抜かされる、と記事で読んだ。バンコク住まいの女の子の生活は東京の1人住まい女子よりずっと上らしい。


東南アジアは貧しいとか言ってると、ホントに抜かれるってさ。


抜かれたらダメかどうかは知らんけど、オレは嫌だな。


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日本人、もっと頑張んなきゃさ。ゆとり教育だとか、働き方改革だとか、くだらんことしてないで、もっと豊かになる啓蒙しなきゃ、あまりに情けないよ。


日本人は優秀なのに、働かない環境をどんどん作り、成長を悪いことのように教育してる。


たくさん働いて、たくさん稼いで、豊かになるんだよ。そういう教育をしなきゃダメだよ。


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稼いで使うと、リスペクトよりやっかむ、そんな文化になってる気がするよ。みんなで、日本再興、盛り上げていかなきゃだよ。






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