2020年9月19日土曜日

筋トレ No.1087

筋トレしてる。


んで「どうしてトレーニング続けるの?」とよく聞かれる。

一応、元はプロのスポーツ選手だった。まあ、今で言うキックボクサー。スポンサーもついてくれ、住む場所を与えられ、生活の心配なくトレーニングができた。

で、引退して、普通の仕事を始めた。

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筋トレにはいいことがたくさんある。

まず、見た目が良くなる。若く見える。海やプール、お風呂に行った時(多少)カッコいい。毎日の短調なトレーニングを続けることで、毎日「小さな勝ち」を拾うことができる。勝ち癖がつくし、何より精神的に強くなる。自分との戦いだからね。素質も関係なく、誰でも伸びるスポーツ。

まあそんなことで、続けてる。

サボりたい日もなんとか頑張る。

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筋トレはとてもいいから、お前たちもやりなさいと、うちの社長連中にも言ってる。

やる者もいるが、やはりなかなか難しい。

私のようにフラフラ遊んでいるようなものと違い、朝から晩まで一所懸命最前線で戦ってる社長連中は、仕事が終わったらもうクタクタ。

わかってはいても、そんなエネルギーは残ってないもんだ。

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かくいう私も、昔、前線で業務をしてた頃は、全くトレーニングなんて出来なかった。

四十くらいまでは、全くトレーニングできず、筋肉は衰え、素人さん同然の身体になってしまっていた。
ムーミン。

鏡を見ると選手時代の貯金なんてどこへやら。ただのムーミンがそこにいた。

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そんなある日。

平先生の誘いで、マッサージの講習に参加した。

その主催者は、小森さんと言って、ボディビルの日本クラスの人だった。

そして、参加者には現役のシュートボクサーもいた。

シュートボクシングは、立ち上げの時お手伝いをさせていただいた。グラップラー刃牙のモデル、平直之選手のデビュー戦は私がジャッジを務めた。(あの頃からあの人強かったなあ)

そんな中、ムーミンの私は、マッサージの講習会場で平先生から「元キックのプロ」と紹介された。

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マッサージが始まると、やはり、体を触り、触られることになる。いかかわしい意味とは別で。

現役のシュートボクサーの体は、蟹でいえば身がたっぷり詰まった、密度の高い筋肉。しっかり詰まって、かつ柔らかい。

ひと触りして、嫉妬するとともに、焦った。今度私が触られる(変な意味じゃないよ)番。プロならひと触りしたらわかる。

「こいつ、ダルダルやん」

ということが一瞬でバレるのだ。

「これが元プロの体かよ」と思われるのが嫌で、私はひとり恥ずかしくて仕方がなかった。

・・・

引退して長いとはいえ、ダルダルのムーミン。付くべきところにも、筋肉は残っていない。

「キックボクサーって大したことねーなあ」と思われることで、業界に迷惑をかけているような気さえしたんだ。

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私は小森さんに聞いてみた。(そういえばキック時代の仲の良い先輩も小森先輩だったなあ)

「小森さん、トップビルダーに近い維持をされてますが、お仕事大変でしょ?トレーニングする時間あります?」

小森さんは「実は一日15分で維持なんてできるんですよ」といい、自分のトレーニングビデオをくれた。

簡単にいうと多少重量を入れたサーキットトレーニングなのだけど、多少の維持はできるよ、ということだった。

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たとえ15分でも、それがたったの一歩であったとしても、全く歩かないとのは違う。ゼロと一歩。それは文字通り、天と地ほど違うんだ。

私は、怠けていた自分が恥ずかしく、それから「たとえ15分でも」とトレーニングを始めた。

10年以上経ったが、今も、その一歩を歩き続けてる。

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あの時、恥をかかなければ、今日までジムワークは続いてないだろう。

「元キックのプロですか、さすがいい身体してますね」と言われるだけのものは、キープしなきゃなんない。

それが、キックの業界に対しての、私の禊なのだ。

ということで、さあ、今日も頑張るか。たとえ一セットをやるだけでもいいんだ。一歩は歩いたぞ。

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写真はハワイのジムです。今はもう少しお腹がムーミンの上顎みたいになっています。あしからず

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