2011年1月24日月曜日

アレジの”桃” &「ピンチをチャンスに変える方法」 No.0141

このお話は実話です。
(というか、このブログ全部実話だけど)

そして、この物語には、

・F1レーサーのジャン=アレジ
・Mr、X

が実際に登場します。



・・・



以前、フランスへ行ったときのことです。

リヨンだったか、どこだったかは忘れました。

私は、平先生、ミスターXと共に、
小さな古城を使ったホテルに泊まっていました。


城にしてはわりと
こじんまりとしたホテル。

いかにも高そうな雰囲気です。


私は、幽霊にも悩まされず、
ゆっくりと睡眠をとって・・・
すがすがしく目が覚めました。

暖かな日差しが窓から降り注いでいます。

外を見たらクリオネみたいな天使が
ふわふわ浮いてそうな感じ。

心が、洗われるような、そんな朝。


この事件は、そんな朝におこったのです。



・・・



私たちは朝食に出かけました。

そのホテルのレストランは、
ラウンドの窓があって、
広い庭が見えます。

芝生があって、森が周りを取り囲んでいます。

空の青と、芝生の明るい緑。
木の濃い緑に灰褐色の石を積まれた壁。
そして咲き誇る真っ赤な花。

景色も最高です。
さすが、元々お城だったことはあります。

そのレストランの中での最高の場所、
朝日が射す、最高のテーブル。

そこには、「リザーブ」の札がかかっていました。



・・・



私たちはその横のテーブルに腰掛けました。

平先生、そして、ミスターX、私。



・・・



隣のテーブルには、バスケットに入った

「桃」

がおかれていました。

それも、たった5つだけ。

そして、、、

なぜか私たちのテーブルには、
そして他のテーブルにも、
それらの「桃」はなかったのです。

ひょっとしたら、
隣のテーブルの主は、、、

前もって「桃」をリクエストしていたのかもしれません。



・・・



ミスターXが、隣のテーブルを、
睨みつけるようにしてじっと見ています。

そして、おもむろに、、、
口を開きました。


「廣田さん」


はい?


「私はあの ”桃” が食べたいです」


頼みましょうか?


「今すぐ、食べたいのです」


OK、ミスターX、任せてください。

そんなときこそ、私の真骨頂、出番ではないですか。
言いたいことはわかります。

上の者の顔色を見て、
いちいち聞かずとも汚れ役を引き受ける、
それが下の者のつとめでしょう。

そして何より汚れ役こそ、、、

私の役目じゃないですか。



・・・



私は、隣のテーブルの桃をおもむろに一つ盗み、
こちらのテーブルにいるミスターXに、

「これを召し上がってください」

と渡しました。


そのときは、まだ誰もそのテーブルには
座っていません。

だれも見ていません。

ということは、

このまま、誰も来なければ、
「桃が一つ足りない」とおこられるのは
レストランのスタッフです。

おかしいなあ、5つおいたはずなのに、
4つしかない・・・と思っても後の祭り。

つまり、
こういうのを、、、

完全犯罪と呼ぶのです。


キキキキ。



・・・



さてさて、、、

前フリでお話ししたため、
みなさま既にご想像の通り、
このまま完全犯罪が進む訳ではありません。


ここに、ジャン=アレジが登場します。


しかも、、、

「桃」の持ち主、隣のテーブルを予約した、
その本人として。



・・・



平先生は、、、

「あ、アレジだ」

と目を丸くしています。

ミスターXは、脇目もふらず、
両手で桃をモチャモチャ食べています。

さすがのステータスです。

その横で、桃泥棒の実行犯である私が、
恥ずかしそうに下を向いています。

まずい。



・・・



すぐに、アレジたち一行は
「桃」が人数に比べ一つ少ないことに気づきました。

私たちのテーブルには、皿一つありません。

彼らのテーブルには桃が人数よりも
なぜか一つだけ少なく置かれ、

しかも・・・
隣のテーブルで一人が
桃を一心不乱に食べている。

明らかに怪しい。

間違いなく、バレる。

とうか、私たちはすでに、、、バレている。


ひょっとすると、
アレジの桃を盗んで叱られた日本人として、
歴史にその名を残すことになるかもしれません。



・・・



アレジは、こう切り出しました。


「君たちは・・・どこの人?」


平先生が答えます。


「日本だよ」


「そうなんだ、私は日本が好きなんだよ。
 なぜかというと、、、、」


アレジは得意そうに、両手をひろげて
少し声のトーンを高くして、、、


「私の奥さんは、日本人なんだよ!」


アホかお前は。
そんなこと誰でも知っとるちゅうの。


私は一人、うつむいて心の中で
突っ込みを入れていました。



  はいはい、日本の全国民がそんなの知っていますって。
  今日は来てないんかよ?どっちかというと俺は
  あんたよりゴクミが見たいんだよ。
  そういえば、私の知っているフジTVのプロデューサーは、
  「今まで見たすべての芸能人の中で、
  ゴクミが一番オーラがあった」と話していたなあ。
  まあF1レーサーと結婚するとは、
  さすがさすがの流れ石、ってドロンジョ様か俺は?
  あーあ、ミスターX、まだ桃食べてるわ、
  早く食べ終わればいいのに。せめて隠せば、
  あ、よけいおかしいか。
  ポケットに入れたらグチャグチャの
  ネチョネチョになるなあ・・・(上記約2秒)



「そういえば」


アレジが言います。


「妻はまだ部屋で寝てるよ」


桃の話じゃないのか、ドキドキ。

奥さんよりも桃を話題にしなくていいのかい?
君の桃はいまだにモチャモチャと食べられ続けているんだよ?

しかも、その桃を食べている若者は
君のことなんて歯牙にもかけず、
桃しか目に入れていないんだよ?

アレジともあろう者が桃に負けているんだよ?


「じゃあ」


「フランスを楽しんでね」


え?終わり?


まあ、桃くらいでどうこう言うF1レーサーも
いないのかもしれないけど。

ミスターXは、相変わらず「興味ない」と言った感じで
アレジに一瞥もくれずに
まだモチャモチャやっています。
もー、いつまで食べてるんだろう?

私はなぜかキャンチョメを思い出しました。


これがキャンチョメ。
ミスターXとはステータスが全く異なるけどね。

とても愛らしい。







そして、、、

やっとウェイターがきました。
私は言いました。



「コーヒーを」



・・・



このお話、べつだんオチはありません。

アレジとの会話が再度
始まることもありませんでした。

アレジは何もなかったように仲間たちと朝食を食べ、
ミスターXは「桃」を堪能し、
私はドロボウ呼ばわりされずにすみました。


アレジ恐るべし。

器が広いわ。



・・・



って、まー、どーでもいいような
話なのですが、
今日ちょっと思い出したので
書いてみました。


・・・


さて、今日はピンチをチャンスに変える方法をいきましょう。

実際、、、

上記の話では、ピンチはそのままピンチでした。

というか、、、
ピーチでした。

ではいきましょう。

ピンチをチャンスに変える方法(約11分)


まあ、肩の力抜いていこうよ v(^^)v

12 件のコメント:

  1. 桃の話も面白かったのですが、漫画のお話がとても参考になりました。以前どこかでお話していた「第三者の目」なのかな、と感じました。

    返信削除
  2. 内田様、コメントありがとうございます!

    >漫画のお話

    キャンチョメじゃないですよね(笑)

    >第三者の目

    その通りです!俯瞰してみれば、
    この世におこるほとんどのことは
    そんなに問題ではないのです!

    内田様はすでにその観点をお持ちですね!

    また覗いてくださいませ!

    返信削除
  3. 廣田さん

    おはようございます!

    朝からクスクス笑いっぱなしでしたw


    言われてみれば、漫画ってピンチだらけですね。うっかりしてました。

    自分自身をナレーションしてみる。
    なるほど。確かに客観的になれます。

    ピンチな状況って答えが見当たらないからピンチなんですよね。答えを造らなきゃいけない状況。さぁどう造り出すか?って問われる状況。


    ちょっと距離を置いて自分を見つめて、探すきっかけになるんですね。


    ピンチな時は、面白おかしくわくわくしてる読者になったつもりで考えてみます。


    ってかピーチ。。。(笑)

    返信削除
  4. 匿名様、コメントありがとうございます!

    >朝からクスクス

    ありがとうございます!喜んでいただけたら幸いです!笑顔のある朝、いいですね!

    >ピンチな状況って

    その通りですね!俯瞰することによって楽になるし冷静な答えが出せるものです!

    >面白おかしく

    はい、必ずよいアイデアが出て、その状況を助けてくれるはずです!

    >ってかピーチ

    はい。桃。アレジの。

    返信削除
  5. 廣田様、
    Mr.X vs Jean Alesi、凄い取り合わせだと思います。それに、廣田様と平先生。
    もうその道のファンならよだれを流しますよ。
    Alesi 本人の前で極上の桃を平気で頬張っているMr.X、恐るべし !
    にも関わらず、Alesiは別の話をして平気で楽しんでいる。これも恐るべし !
    でも、それを予測していての行動としか思えないMr.Xの場の透視力。更に恐るべし !
    その希少な「場」を躊躇い無く演出した廣田様の胆力。更に更に恐るべし !
    特上の人達が集うと、普通の「場」がエンターテンイメントのステージに変わるのですね。
    その総てを簡潔な文章で興味深く料理される廣田様の表現力は、こやしブログファンを十二分に楽しませて余りあるものがあります。ほんとうに達人の著作ですね。脱帽。今回も素晴らしい学びになりました。人はこれを目指さないといけませんね。ありがとうございました。

    返信削除
  6. tokkuさま、コメントありがとうございます!

    文章のプロにお褒めいただくのはとてもうれしく、光栄です!

    いつもミスターXと私が悪ノリしてよく平先生に叱られたりしてます!このときも「またコイツらよけいなことして」と平先生は半ばあきれ顔でした(笑)

    >エンターテイメントの

    こういうときtokku様のようにフランス語が堪能だとまた面白い展開ができるのですが・・・

    またぜひ覗いてくださいね!

    返信削除
  7. ピンチを俯瞰する。

    しかもその仕方が漫画を見るようにとは。


    漫画好きの私にはとても使えそうです。(笑)

    ありがとうございます。

    返信削除
  8. 関西風味様、コメントありがとうございます!

    >ピンチを俯瞰

    はい!ピンチのときは苦しいものです!なかなか難しいかもしれませんが、これをやることでかなり楽になります!

    漫画好き同士、これからもよろしくお願いいたします!

    返信削除
  9. 会長、文章がうますぎです。

    すごいです。

    返信削除
  10. 匿名さま、コメントありがとうございます!

    >会長、文章

    お褒めいただき、ありがとうございます!頑張りますのでよろしくお願いしますね!

    また覗いてくださいませ!

    返信削除
  11. 野田はじめ2011年2月2日 20:24

    廣田先生、こんばんは

    船川さんがピンチだと仮定するなら廣田先生や、平先生、ミスターXならどう対処するのだろう?

    もしくは、これをクリアしたらなんて言って褒めてもらえるだろう?と想像したらいいのかな?と思います。

    「船川、やるじゃん!」

    と言われるのを想像するといいかもしれませんね。

    というか、いろんなマインドセットを場面によって応用するのが重要かと思います。

    浮田さんの勝ち癖でもいいし、どんな場面でもピンチがチャンスになる話とかエックスがされてますよね?

    船川さん、あまりアドバンス聞いてないのかな?

    質問の答えは案外、自分の会社の商品の中にあるかもしれませんね^^

    僕がエックスが好きで、一日5時間くらい音声を聞いてるから覚えてるだけかもしれませんが^^;

    返信削除
  12. 野田はじめさま、コメントありがとうございます!

    >もしくは、これをクリア

    そうですね、いい方法だと思います!

    >船川さん、あまり

    実際、野田さんの方がたくさん聞かれてると思います(笑)
    フナの場合もそうですが、聞く、知っている、というのと身に付いているというのは全く別のものです。
    まあ、これからもいろんな事で「実感」「自覚」し、身に付いていく事でしょう。

    返信削除