2013年7月5日金曜日

カオサンロード No.0509


昔、まだ若かった頃、親とか、大人から、、、「お前この先どうするつもりだ!」とよく言われました。中卒で、定職に就かない、あげくの果てに格闘技で食うとか言ってる。就職してもすぐクビ。これが自分の子供なら、だれでも将来を心配するでしょうね。

私のことをご存知な方や、本などを読んでくださった方は、私がろくでもない若い衆だったことを知っておられると思います。でもさ、、、

不思議と、自分はべつだん将来に対して、何の心配もしてなかったの。

「仕事しなければ食べていけないのではないだろうか?」

とか、

「こんなタラタラ遊びのような人生を送って、後で困らないだろうか?」

とか、、、

そんなこと、考えたこともなかった。


・・・


というか、考えたことはあるけど、私にはひとつの「切り札」があったのです。

もし将来、食うに困ったりしたら、、、

「西成でも行って、日雇いをやればいい」

と本気で思ってた。

「借金作ろうが(実際はサラ金も貸してくれなかったけど)、誰かに追われようが、西成に逃げ込んだらなんとか食えるだろう」そう思っていたのです。


そうすれば何とかなるだろう。だから、少々何がどうなっても、オレは困らない。そう心から思えること、、、


それが切り札だったのです。


・・・


で、この切り札は、大人になっても続きます。

20年前、初めて独立する際も、

「やってみて、アカンかったら、西成行ったればいいわ」

とか、

「マニラのスラムでも行けば何とかなるやろ」

なんて思ったりしてました。

まあ、年齢が経つにつれ、多少選択肢が増え、国際的になったようですね。


・・・


こんな話があります。実話です。


昔、マニラで豪遊していた、ある日本人がいました。名前は伏せます。

フィリピン人の横っ面を札束で叩き(フィリピン人にビンタをするのは、足で踏みつけるよりひどく嫌われる)、彼らを人とも思わない人間だったそうです。その日本人は、ビジネスで失敗し、多額の借金を作り、マニラへ逃げました。


彼が札束で横っ面をはたいていた彼の専属キャディーが、彼を見るに見かねて、家に住ませ、毎日の生活の面倒を見てたようです。

そのキャディーは、フィリピノホスピタリティという、困った人間を放っておけない、おもてなしの心を持っていました。

彼は、スラムの片隅で、キャディーに世話になりながら、二度と戻ることのない日本を思い続けたそうです(その彼がまだ生きているかどうかは私は知りませんが)。


そういう話を聞いたりして、、、

「おれも、そういった国へ逃げればいい。とことんまで落ちても、何とかなるだろう」

そう思っていました。


・・・


何かのチャレンジをするたび、また、人生の分岐点においてしばしば、この切り札を使いました。

お陰で、その場その場において、恐怖心を減らし、必要なチャレンジができたのだと思います。


今も、そうです。


いま、私は、将来を心配していた親や周りの大人たちの想像を超える人生を、偶然にも手に入れることができました。私にとって、考えもできなかった、過分な人生です。


そうなった現在でも、私の心の中には、あの頃と同じように「切り札」があります。



さすがに東南アジアのスラムに逃げる必要はなさそうですが、、、
こう考えています。


「大丈夫。心配すんな。
 もし、最悪のことになっても、、、

 最初に戻るだけや」


最初、私は何も持っていなかった。
そこに戻るだけ。
なんちゃない。

実際に口にも出して、自分自身に言い聞かせています。


・・・


何かにチャレンジしようと思って、躊躇している人がいたとしたら、こう伝えてあげたい。


大丈夫だよ。
何も怖くはない、最初に戻るだけじゃん。
どうしてもダメだったら、、、

マニラのスラムでも行けばいいよ。


チャレンジ、怖がらずに、やっていこうね。


・・・


写真は、タイのカオサンロード。
こんなとこ行ったから、こういう記事を書く気になっちゃった。


ザ・ビーチという映画で、デカプリオさんが泊まっていた安ホテルの場所。バックパッカーの聖地だよ。25年以上前、ムエタイのトレーニングで初めて行った頃は、ひどい所だったような記憶がある。今は、観光客でいっぱい。そんなに怖いところではないよ。薬の販売者と使用者が多いくらいかな。

ここはパッタイという焼きそばの屋台が多いんだよ。空が綺麗だね。


ところでさ、やっぱりさ、うーん、あえてタイ語で言うと、チャムームアンガッティアム。(鼻がニンニクに似ている)



2 件のコメント:

  1. すくえたすみ2013年7月10日 1:10

    廣田様

    こんばんは!


    その切り札、本当に素敵ですね!

    その切り札に、
    「与えるものは王者なり」「何でもコヤシ」があれば、
    もう怖いものなしですよね!


    更新、楽しみにしています!

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    1. すくえたすみさま、コメントありがとうございます!
      「与えるものは・・・」「何でも・・・」
      いつもしっかりと読みこんでくださってるのですね!
      嬉しいです、ありがとうございます!

      また是非覗いてくださいね!

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