《芦田愛菜の言葉で語ろう》
ある朝、うちの社長の一人が若い衆を叱っていた。
経理の若い子(男)。
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ウチの社長連中はコワモテが多い。
だいたい格闘技やってるし(私もそうだし、カラテのチャンピオンが二人、柔道の先生、大学のラグビーのキャプテンなど)、何気に怖そう。
その怒ってた社長は柔道三段で、クマみたいな体をしている。
そりや若い青年から見たら怖いだろう。
若い衆、すっかり怯えてしまっている。(*追記、クマ社長は決して怒ってない、普通に話しただけ、とのちに語る)
・・・
聞くと「報告が悪い」とのこと。
確かに、大切な報告しなければならないことを黙っていたり、アレコレあるようだ。
怒られるような報告なら、言いにくいのはわかる。ただこの場合、とにかく報告しないらしい。
理由は、どうやら「単純に怖くて、どんな報告も、言えないだけ」のようだった。
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困る。
経理のミスは命取りになる。
でも、既に怯えている。
そこで、解決策を考えてみた。
ここで、冒頭の芦田愛菜が登場する。
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経理の子に言ってみた。「単純にLINEとかで声かけるだけでも怖いのか?」
はい。
では、これから、“声掛け慣れ”をするために、1日三回、クマ社長にLINEを入れろ。
その時に条件がある。
「芦田愛菜の言葉で語れ」
・・・
ルールはこうだ。1日3回。
出社時「おはようございます。芦田愛菜だよ」
昼食時「いただきます。ほんとは芦田愛菜じゃないよ」
帰社時「失礼します。やっぱり芦田愛菜だよ」
これを仕事と捉えて、毎日やれ、と。
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メリットは数限りない。
・まず、若い子がクマ社長に頻繁にアクセスすることによって、慣れる
・しかも内容は、芦田愛菜。普通なら「ふざけてるのか!」と怒られる内容を書くことでジョークに慣れてくる
・会長命令ということで、おふざけの名目は立つ
・「芦田愛菜だよ!」と言ってくる相手にアホらしくて怒る気になれない
・何気に和む(かもしれない)
なのだ。
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ついでなので、他の、報告の悪い社員にも、村西監督の言葉で語らせることにした。
「お待たせしました、お待たせしすぎたかもしれません。おはようございます、村西監督です」
遅刻したんかよ。
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芦田愛菜の言葉で語らせだして二日。
普段、ラインの返事を返さないクマ社長に変化が起こった。
「芦田愛菜くんおはようございますアルよ」
と何故かは知らないが、中国人の言葉で語り出したのだ。
成功したようだ。
・・・
ただ、まだ少し問題はある。
村西監督には、「おう、おはようカントク」「ナイスですね」と答えやすい。
しかし、芦田愛菜には、「芦田くん」になってしまう。
“ケンカ十段芦原英幸”みたいでなんとなく違和感がある。
なので、明後日くらいから「おはようございます。GACKTです」に変えてしまおうと思う。
「おう、ガックン。今日も頑張れ」答えやすいもんね。
そうすれば、私は「あ、今日、ウチの社員のGACKTがなあ」と誰かを混乱させることができる。
また、その経理の若い衆は、自分の彼女に「オレ、会社でGACKTって呼ばれてるんやで」と自慢しだすかもしれない。
それもよかろう。
・・・
追伸
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