松本零士先生が亡くなった。
「宇宙戦艦ヤマト」に始まり、「銀河鉄道999」「キャプテンハーロック」など宇宙を舞台にする話や、積み上げたサルマタにキノコが生える「男おいどん」など、数多くの名作を世に送り出した人。松本先生の絵、特にあの黒いバックに無数の計器が光る絵面、後の新谷薫らにも受け継がれた、戦争機械マンガの定番のようなもの。間違いなく一時代を築いたと言っていい。
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松本零士の描く女性、たとえばメーテルなどは、金髪美人の代名詞のようにもなってる。
私がNYにいた頃、14st.7Aveにあったホームステイ先の家主であり、スウェーデン人の24歳の金髪モデルでもあるジェニファーさんが、ある日、黒い帽子とコートを着てパーティーに出かけようとしていた。
金髪180センチの長身に黒い帽子と袖にふさふさのついたコートだよ?もちろんめちゃ美人。これ、どう見てもメーテルやん。
なので、私は思わず「あなたはまるでメーテルのようです」と話した。
ジェニファーさんはキョトンとした顔でこちらを見てた。意味がわからないようだった。
「猿が口を聞いた」とでも思っていたのかもしれない。
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まあそんなメーテル、森雪、クイーンエメラルダスたちに見る、松本零士の描く美人に共通するのは切長の目に面長のちょっと冷めたような顔。
あの顔にはモデルがある、と言われてる。
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“松本さんは「メーテル」のモデルについて、両親のふるさとの愛媛県で、宇和島藩に仕えていたシーボルトの孫娘・楠本高子と説明。
「私のDNAの中に刷り込まれて、自動的に(楠本高子に似た)メーテル、森雪のような顔を描くようになった。
何も知らずに描いているのに(服の)柄まで一緒になる」と明かしていた”
〜記事より抜粋
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(余談だけれど、楠本高子さんの母親は楠本イネさん。シーボルトの娘で、明治維新の官軍の総司令官、大村益次郎が恋した女性。二人が添い遂げることはなかったが、大村が凶刃に倒れた時、イネさんは横浜から大阪まで来て看病したと伝えられる。最期に想いはかなったのかな。ちな、大村益次郎さんは靖国神社の真ん中にそびえる銅像の人)
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お元気だった頃、「遠く時の輪の接する処で、また巡り会える」と周りの人にいつも言ってた、といわれる松本先生。だから、いつかまた会えるのが楽しみです、とご遺族は語る。
今頃はひょっとして楠本高子さんとお会いしてたりしたら素敵ですね。
松本零士先生、多くの素敵な作品をありがとうございます。ご冥福をお祈りいたします。
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漫画家はいい。作品を残せる。人々の心にずっと残る。
男の一生は一編の詩になる、と言われてるけど、、、
駄作か名作か?いったい私たちは、どんな生き方を残していくんだろうね。
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