FB友達から嘆きのメッセージをもらった。
聞くと、今、自分の会社は大変な状況にある。なぜなら、トップが本当に恥ずかしいことをした、との事。
ピンと来た。
「関電?」
「はい」
「はい」
確かに。トップ達が賄賂を受け取り、しかも往生際の悪い態度。従業員の方々も、さぞかし恥ずかしい思いをしたろうね。
士気にも関わるだろう。
・・・
関電。
この、本来素晴らしい会社は、過去、日本の国に多大なる貢献をした。
みなさんも一度は聞いたことがあると思う。
黒部四号発電所。
通称、黒四ダム。
長野県の大町から、富山県の宇奈月までの間にある、秘境中の秘境に作られたダム。
これは太田垣士郎社長(当時)社員率いる、関電スタッフ全員の、会社の存亡をかけた仕事だったんだ。
・・・
世紀の大工事、黒部ダム建設は、日本の建設史に残る、難工事中の難工事だった。
まず、ダムまでのルートを確保しなければならない。大正時代、黒部が水力発電に最適だと目をつけられた。
しかし、そこに行くのがまず、困難。日電歩道(写真)を通って調査が進められ、また、富山側からのトロッコ電車のチケットには「安全は保証できません」との注意書きがなされてた。
その後、発足したばかりの関西電力として工事が始まる。
「とても無理だ」という声に、関電は「このダムができれば、一気に関西地方の電力をまかなえる」とゴーサインを出したらしい。日本の戦後復興を促すにはここしかない、と。
しかし、長野県側からの資材搬入トンネルを作ろうとした、そのトンネル工事で、破砕帯と呼ばれる、水脈にぶち当たったんだ。
・・・
多くの死者を出し、破砕帯で工事は止まった。
このままでは、黒四ダム工事自体が進められない。
この工事が完成しなければ、関電は潰れる。何より、日本を支える電力は手に入らない。
工事予算をひねり出すために、関電社員は一致団結し、これにあたった。
黒四を助けろ、を合言葉に社員全員、鉛筆を握れなくなるまで使い、黒四にお金を回したんだ。
(私は見てないけど、映画「黒部の太陽」や「プロジェクトX」でも、映像化されてる)
悪戦苦闘の末、破砕帯を通り抜け、トンネルは開通した。現在も、大町から黒四に抜ける通称「関電トンネル」には、破砕帯の場所を記す表記があり、亡くなった作業員の方々の慰霊碑がある。
何が言いたいか?というと、かつての関電は、自社の存亡を賭け、国のため、日本の発展のため、その身を犠牲にする覚悟で、社会に貢献した、という事なの。
関西電力には、その実績があるんだ。
・・・
今の不祥事は、本当に恥ずかしい。
賄賂なんて、多分あの世界じゃ日常茶飯事なのだろう。
たまたま見つかっただけで、いくらでもある話なんだろう。
しかし、その後の対応もまずい。言い訳はできない。トップの辞任は当たり前。
しかし、国の恩人である関電自体が貶められるのは、あまりに忍びない。
・・・
もし、私が社員なら「黒四を忘れるな」を合言葉に、「もう一度関電の誇りを取り戻そう」という運動をするね。
簡単なこと。
社内に、上の言葉たちを紙に書いて貼りまくるだけ。
士気を取り戻し、かつての誇り高き関電の意思を持ち直すんだ。
・・・
もし、そんなスローガンを掲げたら、社員の士気は勝手に上がる。みんな、今の不祥事に辟易してるはずだからね。受け入れられるはず。
そうすると、いいことが起こる。誇りを取り戻した会社には、必ずラッキーな出来事が起こるんだ。
従業員からこそ、従業員発の会社復興をしてほしい。
・・・
社内いたるところに、紙を貼るだけ。みんな発奮するよ。マスコミも食いつく。関電は社会から注目され、復活のチャンスになる。
そこで従業員全員が自らを律した仕事、行動を取れば、関電は世間の評価において復活するはずだよ。
・・・
従業員の方々、ぜひ、それをやってほしい。
トップの不祥事を社員が救う、という伝説を作ってほしい。
黒四に行くたびに、いつも涙が溢れてくる。そして、その当時の、関電という会社に、感動を覚える。
そんな、関電ファンの気持ちを、この先も持ち続けさせてほしい。
・・・
写真は、黒四ダム。
私は大好きで、もう何度行ったか、数えきれないよ。ぜひみなさんも行ってみてほしい。
こんなところに、よくこんな大きいダムを作ってくださった。関電のおかげで、日本の国は大きく発展することができたんだ。
ありがとう。
この先も、関電はあの素晴らしい関電として存在してくださいますように。
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