同級生が亡くなった。親友の奥さんで、夫婦二人とも同級生。五年、闘病した。
乳がんから始まり、肝臓に転移、血液に回った。
最後の抗がん剤を打った後、奥さんは「これはヤバい、いつもと違う」と言い残し、昏睡状態になった。
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若い頃、美人でスタイル抜群、しかもバイクのレーサー。自身をモデルにしたTシャツも販売されてた、そんな奥さんは髪の毛も歯もなくなった。抗がん剤の影響で。
しかし、そんな中、自分と自分の運命を突き放して外から見ることができ、明るく笑って過ごせる、そんな人間でもあった。
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最後の日、その前日に、友人の夢枕に奥さんが立ったらしい。その夢の中で彼は奥さんに言った。
「なんや、お前、もうすっかり良さそうやないか」
驚く彼を尻目に、奥さんはこう返したらしい。
「湿っぽいのは嫌だ。泣いちゃ嫌だよ。それと、六月に、友達集めてお別れ会をしてよ」
「お別れ会か、それより、お前、六月まで大丈夫なんやな、よかった、よかった」
次の日、奥さんは旅立った。
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その親友は、仕事の都合で奥さんと少し離れたところに住んでいた。
ああ、夢に出たなあ。少しは良くなったかなあ、と思ってしまったのよ。
「良くなるわけなんて、なかったのに」
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送別会の話は以前からしていたらしい。
「葬式は家族葬にしてね。その後、友人を集めて、送別会して笑って送って欲しい。そして、その会場で、私からみんなへのメッセージを伝えるために、録画をしてほしい」と。
そうだね、撮ろうよ、と言ったまま、最後まで、撮ることは叶わなかった。
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家族葬の後、火葬場の煙の下で、彼は泣きながら私に言った。
「あのなあ、やっちゃん、ホントに当たり前のことを言うで」
うん。
「あのなあ、当たり前やけど、当たり前のことなんやけど、、、」
うん。
「やれることは、やれるうちにやらなあかん。常に今が、、、
その最期の時や」
次の日は、もっと悪くなっているのだから、と。
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録画をしておいてあげたかった。最期のメッセージを留めおいてあげたかった。もっともっと、一緒に過ごしてあげたかった。
そして、、、夢枕に立った次の朝、なぜ病床に飛んで行かなかったのだろう。
滅多に後悔をしない彼は、ずっとそのようなことを口にしてた。
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私たちは今生きていて、明日が必ず来ると信じてる。今やるべきことがあっても、明日やればいい、そう思ってる。
いつもこのFBでよく言うのだけど、改めて思う。何かをするとしたら、、、
今が、その一番良い時期なんだ、と。
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えりママのご冥福を心よりお祈り申し上げます。六月、改めてみんなで送ってあげるね。君の旦那は夢枕の約束をちゃんと守るから。ごくろうさま。よく頑張ったね。
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