この先、商品が買えなくなるかもしれない。なので必要なものはあらかじめ発注しておく。
つまり、何ヶ月先の「その商品をいまの値段で買える権利」を買っておく、それが先物取引と呼ばれるもの。
そして、ここから先のお話は、私の杞憂であることを願う。
・・・
実は、中国国内では、かなり早い時期から移動ができなくなっていた。
私の友人は、武漢から1000キロ離れたところに住んでいる。
しかし、1/26の時点でこんなメールが来た。
「ほとんど外出できない」
・・・
実際、現在はさらに中国国内の移動は難しいようだ。これは報道で出ている。
封鎖された地域、外出できない地域。
さて、ここで、当たり前の問題が出てくる。
物流だ。
・・・
たとえば、ベニヤ板というものがある。構造用合板と呼ばれるもの。
住宅は言うまでもなく、家具から何から、非常に用途の広い、よく使われる材料。
中国の年間生産量は2500万m3。もちろん世界一。
・・・
さて、もう一度、単純に考えてみよう。
移動を制限され、下手したら外出禁止の中、、、
工場でベニヤを作る奴って、いると思う?
また、工場でできたベニヤを運ぶ奴、いる?
移動を制限されてるのに、合板の出荷、流通だけが動くとでも?
・・・
ことさら、何かのリスクを煽ろうとは思わない。オオカミ少年になりたいわけでもない。
そして、もう一度書くが、この考え方が杞憂であることを願う。
中国は、世界の工場。
品物、足らなくなるぜ。世界的に。たぶん、必ず。
・・・
武漢だけが中国じゃない。
制限されてないところに工場が集まっているのかもしれない。
しかし、その割合はわからない。情報が制限されてる今、我々には知るすべもない。
ベニヤだけでなく、この先、いろんなものが足らなくなることは、容易に想像できる。
・・・
事実、友人の猪木さんからは、
「会長、マレーシアの工場に、中国からの材料が入らなくなっています。よって、製品が作れません。この夏はエアコンが不足します。メーカーはこの事実を公表しないようです」
とコメントをもらってる。彼が大げさに言ってるとは思わない。
むしろ、当然の帰結だろう。
・・・
こういうことを書くと、「そんな大変なら政府が何とかするだろう、また、すでに問題になるだろう」と思われるかもしれない。
でも、はっきり言って、我々平民は後まわしだから。
こういうことはまず、商社が全部あれこれ終わってから、政府は動くんだ。
いつもそうなんだよ。
・・・
これもたまたま合板の話になるけど、アトピーとかの原因になるホルムアルデヒド問題は、実はかなり前から政府は把握していた。
しかし、冒頭で話した先物の問題がある。
ホルムアルデヒドをたっぷり吸った合板をいきなり禁止すると、商社は「確保した先物」で大損をする。
その頃の合板は、ホルマリンのプールにどっぷり漬けて作ってたからね。莫大な数のそれらを先に売り切らなきゃいけない。
で、商社が全て先物分を吐かせてから、世間に発表した、とホルムアルデヒド関係の人から聞いたことがある。
・・・
あと、実はホルムアルデヒド問題は40年とか前から、大手メーカーは把握してたからね。大手メーカー(名前は伏せる)の研究室の人から聞いた。
これら二つとも人づて話だけど、充分納得できる。そりゃ、そうなるだろう。この国の財政は商社が握ってるから。
・・・
さて、話を戻そう。
この国は官僚と商社が最も強い国。
(だいたい、国防、例えばPAC3とかのミサイルだって、商社が買うんだからね。我々の思う「会社」とは桁が違う)
これから起こる可能性のある、もろもろの「商品の欠品」はなるべく騒がれたくない。パニックにもなるしね。
だから、個人個人で、対策を練るべきなんだ。
・・・
我々のように、商品を仕入れて、それを加工なりして販売する業種は「材料の値上げ」に気をつける。
方法はたくさんある。
最も早い時点での発注や、予測した確保を早めに行う。納期ベースが長ければ、それも充分効果を発揮する。
まあ、あとは自分で考えてちょ。
・・・
このように、世界の経済は密接に繋がってる。
中国で誰かが風邪を引いたら、地球の裏側で、エアコンが不足して誰かが熱中症になるんだ。
バタフライエフェクトだよ。
・・・
中国を揶揄する言葉は多い。
国交断絶しろ!とか、いろいろ言う人も多い。私も、心情的にはそう思うときもある。
しかし、その中国が安く材料、商品を作ってくれるおかげで、我々も生活できるんだ。
一概に中国バッシングするのは、違う気がするね。
・・・
前回、「すでに中国のインバウンドは変化した、その影響が出る」と書いた。
どうなるかは誰にもわからない。
しかし、現在予測できる条件から最悪の状況を鑑み、先に備えるのは大切だと思う。
何もなければ?
それでよかったじゃん。胸なでおろして笑おうぜ。
・・・
写真は拾い物。この先、世界がいかに中国に依存していたかがわかるかもしれないね。
とにかく、中国加油。頑張れ。
早く収束し、終息しますように。
0 件のコメント:
コメントを投稿