2020年2月13日木曜日

先物取引 No.1016

この先、商品が買えなくなるかもしれない。なので必要なものはあらかじめ発注しておく。

つまり、何ヶ月先の「その商品をいまの値段で買える権利」を買っておく、それが先物取引と呼ばれるもの。

そして、ここから先のお話は、私の杞憂であることを願う。


・・・


実は、中国国内では、かなり早い時期から移動ができなくなっていた。


私の友人は、武漢から1000キロ離れたところに住んでいる。


しかし、1/26の時点でこんなメールが来た。


「ほとんど外出できない」


・・・


実際、現在はさらに中国国内の移動は難しいようだ。これは報道で出ている。


封鎖された地域、外出できない地域。


さて、ここで、当たり前の問題が出てくる。 


物流だ。


・・・


たとえば、ベニヤ板というものがある。構造用合板と呼ばれるもの。


住宅は言うまでもなく、家具から何から、非常に用途の広い、よく使われる材料。


中国の年間生産量は2500万m3。もちろん世界一。


・・・


さて、もう一度、単純に考えてみよう。


移動を制限され、下手したら外出禁止の中、、、


工場でベニヤを作る奴って、いると思う?


また、工場でできたベニヤを運ぶ奴、いる?


移動を制限されてるのに、合板の出荷、流通だけが動くとでも?


・・・


ことさら、何かのリスクを煽ろうとは思わない。オオカミ少年になりたいわけでもない。


そして、もう一度書くが、この考え方が杞憂であることを願う。


中国は、世界の工場。


品物、足らなくなるぜ。世界的に。たぶん、必ず。


・・・


武漢だけが中国じゃない。


制限されてないところに工場が集まっているのかもしれない。


しかし、その割合はわからない。情報が制限されてる今、我々には知るすべもない。


ベニヤだけでなく、この先、いろんなものが足らなくなることは、容易に想像できる。


・・・


事実、友人の猪木さんからは、


「会長、マレーシアの工場に、中国からの材料が入らなくなっています。よって、製品が作れません。この夏はエアコンが不足します。メーカーはこの事実を公表しないようです」


とコメントをもらってる。彼が大げさに言ってるとは思わない。


むしろ、当然の帰結だろう。


・・・


こういうことを書くと、「そんな大変なら政府が何とかするだろう、また、すでに問題になるだろう」と思われるかもしれない。


でも、はっきり言って、我々平民は後まわしだから。


こういうことはまず、商社が全部あれこれ終わってから、政府は動くんだ。


いつもそうなんだよ。


・・・


これもたまたま合板の話になるけど、アトピーとかの原因になるホルムアルデヒド問題は、実はかなり前から政府は把握していた。


しかし、冒頭で話した先物の問題がある。


ホルムアルデヒドをたっぷり吸った合板をいきなり禁止すると、商社は「確保した先物」で大損をする。


その頃の合板は、ホルマリンのプールにどっぷり漬けて作ってたからね。莫大な数のそれらを先に売り切らなきゃいけない。


で、商社が全て先物分を吐かせてから、世間に発表した、とホルムアルデヒド関係の人から聞いたことがある。


・・・


あと、実はホルムアルデヒド問題は40年とか前から、大手メーカーは把握してたからね。大手メーカー(名前は伏せる)の研究室の人から聞いた。


これら二つとも人づて話だけど、充分納得できる。そりゃ、そうなるだろう。この国の財政は商社が握ってるから。


・・・


さて、話を戻そう。


この国は官僚と商社が最も強い国。


(だいたい、国防、例えばPAC3とかのミサイルだって、商社が買うんだからね。我々の思う「会社」とは桁が違う)


これから起こる可能性のある、もろもろの「商品の欠品」はなるべく騒がれたくない。パニックにもなるしね。


だから、個人個人で、対策を練るべきなんだ。


・・・


我々のように、商品を仕入れて、それを加工なりして販売する業種は「材料の値上げ」に気をつける。


方法はたくさんある。


最も早い時点での発注や、予測した確保を早めに行う。納期ベースが長ければ、それも充分効果を発揮する。


まあ、あとは自分で考えてちょ。


・・・


このように、世界の経済は密接に繋がってる。


中国で誰かが風邪を引いたら、地球の裏側で、エアコンが不足して誰かが熱中症になるんだ。


バタフライエフェクトだよ。


・・・


中国を揶揄する言葉は多い。


国交断絶しろ!とか、いろいろ言う人も多い。私も、心情的にはそう思うときもある。


しかし、その中国が安く材料、商品を作ってくれるおかげで、我々も生活できるんだ。


一概に中国バッシングするのは、違う気がするね。


・・・


前回、「すでに中国のインバウンドは変化した、その影響が出る」と書いた。


どうなるかは誰にもわからない。


しかし、現在予測できる条件から最悪の状況を鑑み、先に備えるのは大切だと思う。


何もなければ?


それでよかったじゃん。胸なでおろして笑おうぜ。


・・・


写真は拾い物。この先、世界がいかに中国に依存していたかがわかるかもしれないね。


とにかく、中国加油。頑張れ。
早く収束し、終息しますように。

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