歳とったのか、最近昔のことを思い出す。
こんな私でも、僅かに会社勤めていた時期があった。
まあ、12種類以上の職を転々としてたわけだけど(だから割と何でもできるんだよ)、少しだけ会社にも勤めてた。まあ、建築屋だけどね。ビルとか作ってた。
当時は、バブルの真っ最中だったんだ。
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私は投資に興味が(今も)あまり無いんだけど、その頃はみんな株をやってた。
勤めてた会社の社員も、仕事の途中に株屋へ行ってた。
そんな頃の話。
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住んでた街で、新しいマンションができて、先輩達がこぞってマンションを買った。
区分所有。
ローンを組んで買ったらしい。当時銀行は誰にでもジャブジャブ貸してたからね。
猫も杓子も、とにかく買えば上がる、そんな時期だったんだ。
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そんな中、一人の先輩がいた。とても仕事ができて、頭のいい、人の気持ちもわかる人だった。なんでも、小さい頃から貧しくて、苦労して育ったと人から聞いた。
私は彼を尊敬していた。
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その先輩がこう言った。
「ヤスユキくん、俺たちはさ、給料取りだから、投資でもしなければ、お金持ちにはなれないんだよ」
へー、そんなものなのか、と当時の私は思った。
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バブルは弾け、彼らは突然、返済ができなくなった。
値上がりするはずのマンションは投げ売りになり、また、自殺者も増え、あれから何十年と経った今も、そのマンションは幽霊マンション扱いされている。
先輩は、奥さん、家族を置いて逃げた。
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あの頃投資に手を出さなかった私は、その後起業し、年間50億ほどの売り上げの企業グループを持っている。
先輩は、今どこにいるかもわからない。
どこやらの現場で土方してる、という話を聞いたような気もする。違うような気もする。
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30年前は、個人が起業する風潮は少なかった。
代わりに、アホみたいなマネーゲームが蔓延してた。
結果、他人に投資するより、自分に投資した方が、、、
私の場合に限って言えば、良かったと言える。
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あの先輩はホント、気が利いてた。
顧客の話を必ず繰り返し、「はい、わかりました。そのようにされたいのですね」
そして必ず自分の意見を言った。
「こうされてはいかがですか?私なら、、、」と提案していた。
この二点だけでも、彼が有能であることがわかる。あの頃の彼が今いるなら、雇いたいと本気で思う。
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私は幸運に恵まれ、人がましく上手くいった。
先輩は、借金を作り、家族を置いて逃げた。
この差は一体なんだったんだろう?先輩の方が確実に有能であったというのに。
彼がもし、あの時、株や不動産を買わずに起業していれば、私よりずっと上にいただろう。
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人生は本当に不思議なものだ。
時にそれは、間尺に合わなかったりする。
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そしてもう一つ言えること。お金持ちになりたければ、、、
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