2018年8月25日土曜日

宇宙一のうなぎ No.0832

うなぎの美味しい季節ですね。最近稚魚がいないってんで、値段がメチャ高くなっちゃったけど、日本の美味いものの代表みたいなもんだし。

ちなみに、いつも行くうなぎ屋さんがあるの。


サミュエル・L・ジャクソンにソックリなオヤジがうなぎを焼いていた。このオヤジ、とてもうるさく厳しい。


煙モクモクで、ちょっと窓を開けると「開けるな!温度が変わる!」と客にキレるんだよね。


その代わり、見事なうなぎを焼いていた。


・・・


関西系、特に名古屋(あつた蓬莱軒とか)はうなぎの脂を飛ばして焼く。まあ、言い換えると、パリパリになるまで焼く。


かたや、東京のうなぎは、蒸してから軽く焼く。


私は関西系に慣れてるので、東京のうなぎはちょっと苦手。


クドくなっちゃうんだよね。


・・・


さてこの、サミュエル・L・ジャクソンの焼くうなぎは、外側がパリパリ。中はジューシー。


抜群に美味しかったのよ。


ちょうど、位置的にも東西の中間にある、うなぎの本場、浜松にあって、サイコーだった。「オヤジさん、このうなぎ、宇宙一美味いわ!」といつも褒めてた。


(まあ、日本一イコール世界一、また、宇宙でうなぎ屋さんは無いと思うので宇宙一でもよかろう)


・・・


「焼いていた」などと全て過去形なのは、ある日、その店行ったら、閉まってたの。


「すわ!潰れたか!まさか!」


と調べてみたら、サミュエル・L・ジャクソン親父、お亡くなりになってたそうな。


・・・


「もう、あそこのうなぎは食えないんだな」と落胆してたの。


仲間内で、伝説のうなぎ屋さんになりかけてた。


そしたら、、、


「どうしてもあのうなぎを残したい」


と、どこかの若いお兄ちゃんが、お店の権利とタレを買ったらしい。


・・・


今、その若い人が二人で、お店をやってる。


今はまだサミュエルにはかなわないけど、美味しい。


炭火の照り返しで顔を真っ赤っかにして、丹念に焼いてるんだ。


・・・


捌き三年、串打ち五年。
焼きは一生。


そう呼ばれるうなぎの世界。


いつか、サミュエルを超える日が来るかもしれない。


その時こそ、真の後継者になるんだろうね。


・・・


商売をして、お客様から人気をいただく。それはとても楽しく素晴らしいこと。


しかし、人間の寿命はいつか尽きる。永遠には続かない。


ビジネスを志す者として、私たちは常に、後継者を育てることを忘れてはいけない。


サミュエルのように、向こうから来てくれたらいいけどね。


・・・


ウチも優秀な若い衆たちがいる。


彼らを、自分たちに代わるリーダーに育て、それで初めて私たちはお役御免、になるのだと思う。


今までに私たちの会社を選んでくださったお客様たちのために、また、勤めてくれてる従業員たちのために。


次の代まで続く、そんな組織づくりをしていきたいと思う。


・・・


写真はうなぎ。食べてるのは秘書のウナ川さん。寺田父ちゃんにおごってもらった。明日も食べたい。さらにまた明後日も食べたい。


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