「タナカ」、という。田中さんではない。
前の記事で質問が来たので、今回はミャンマーの風習、タナカについて語ろう。
ミャンマー人が好んで顔に塗る白いやつ。あれは、化粧のひとつで、肌の保護も含まれてる一石二鳥のスグレモノ。
白いタナカは肌の保護を。ブラウンのものはむしろ日焼け促進など、いろんな用途がある。
日焼け止め、もしくは日焼けクリームみたいなものだね。
・・・
今回の旅には、女子も多く参加していた。なぜ女子か?というと、女性の方が圧倒的に優秀なんだ。
アジア圏ではよくある話。
で、その優秀な彼女たちが、京都大学に留学したり、その予備軍として、今回の研究などを手伝っている。
ヤンゴン工科大学、タウンジーの工科大学(ヤンゴン以外は工科大学の後に地名がつく)などで学んでる。実際に生徒数も、女性が圧倒的に多い。
だから、一緒に回ったりしてる、というわけ。
・・・
最初は単純な興味、おふざけレベルの軽い気持ちだった。
私もタナカをしてみたい。
なので、タナカについて女子生徒に尋ねてみた。
私の目論見はこうだ。
まず、私が尋ねる。「なんで君たちはタナカをしないの?」
なぜなら、彼女たちは今タナカをしてないからだ。で、こんな答えが返ってくる(だろう)。
いえ、今は授業と一緒なので、してないんです。
「でも、タナカ、持ってるんでしょ?」
はい、持ってますよ、と答えるだろう。いや、持っているはずだ。
「じゃあ、私にもタナカを塗ってくれませんか?」
いいですよ、みたいな流れ。
これで、ほっぺたにタナカをべったりと塗ってもらえるはずだ!どうだ!この遠大かつ綿密な計画!ミャンマー女子大生にほっぺたペタペタしてもらい計画!ゲヘヘヘヘ。
これで皆も、私のことを「一丁前のミャンマー人」と呼ばざるを得まい!
・・・
ちなみに、ミャンマー人は非常にピュアである。
ある時レストランで、ウエイターに日本のグラビアアイドルの写真を見せた。
誰々に似てるたら、どーたら、他愛もない話の場面。
水着の写真を見た彼は、両手で目を覆った。それくらい、スレてない。
もちろん、下ネタなんぞ、もってのほか。
・・・
さて、私の遠大な計画に戻ろう。まず、レストランで向かいに座った女子大生に聞いてみた。
「ねえ、ちょっといいですか?あなた達はなぜタナカをしないのですか?」
通じない。
私の英語がダメなのか、たまたまこの子達は英語が苦手なのか?
仕方ないので、翻訳ソフトを使った。
それが写真1だ。
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《写真1》
日本語「なぜ貴方たちはタナカをしないのですか?」
အဘယ်ကြောင့်သင်ယောက်ျားတွေ Tanaka ကစားကြသည်မဟုတ်လော
これを見せた。
ミャンマー語ならわかるだろう。
・・・
彼女たちは、なぜか、首を傾げている。
そして、助けを求めるように、ちょっと離れている教授たちの方へ、一生懸命目で助けを求めている。
私を怖がっているようだ。
なぜだ?
・・・
私は不思議に思い、もう一度翻訳ソフトの携帯画面を見せた。
彼女たちはさらに友人に見せ、ミャンマー後で何か話し、また全員が怪訝な顔で私を見る。
おかしい。ムードがとても悪い。軽蔑の眼差しさえ送ってくる。
・・・
これはチェックが必要だ。私はミャンマー語がわからない。多少翻訳がおかしいのかもしれない。
အဘယ်ကြောင့်သင်ယောက်ျားတွေ Tanaka ကစားကြသည်မဟုတ်လော
タナカがTanakaになっている時点で、なんか嫌な予感がする。個人名になっているのではないか?
・・・
を、英語に逆変換してみた。
《写真2》がそれだ。
答えは簡単だった。翻訳ソフトの野郎、それはないやろ(涙)
翻訳ソフトの野郎の答えを英語にすると、、、
Why don't you guys play Tanaka?
・・・
こんなイメージだろう。
「なぜあなたたちはタナカと(いかがわしい)プレイをしなかったのかい?」
何言うとんのや、このオヤジ。
おかしな日本人、しかも、ちょっといかがわしいオヤジが、ニヤニヤしながらセクハラしてきた、そう取られていたようだ。
・・・
私の、遠大で崇高なタナカ(塗ってもらう)作戦は見事に失敗した。
その後、誤解が解けた彼女たちはこう言った。
「スーパーマーケットに行ってください」
・・・
そんなん、時間ないし、そんなにたくさんいらんし。
ちょっとほっぺたに塗ってもらって、ふざけたかっただけだし(涙)
なんにしても、それからは誰も私の近くには来なくなった。
あんまりだあぁぁぁあああ
おしまい。
・・・
明日は、世界一異様な首都、ネピドーの写真を送るよ!
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